滋賀医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

2025年6月 第20回日本小児耳鼻咽喉科学会に参加して


久保 良仁

2025年6月19日・20日に岡山県の倉敷市民会館で開催された、第20回日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会へ参加してきました。

学会のテーマは「共に築く!未来への架け橋」でした。

小児医療は、成長発達の段階にある小児を相手にするという特殊性があります。成長のなかでいままで行ってきた治療よりも別の方針に切り替えることが必要になったり、あるいは、成長していても、特にお困りでないのであればこのまま方針を変えずに継続する方が良かったりと、状況により様々な選択をしていく必要があります。これら意思決定は、患者が何を希望しているか?周りの方の援助が得られるかどうか?患者の安全は担保されているか?など、全人的な目で我々医師が患者や家族と関わり、ともに行うべきと思います。

今回の学会では、気管切開のある小児の小学校入学に対する支援といったような、画一的な対応が難しい事例についてシンポジウムが行われており、大変勉強になりました。

特別講演は5歳児健診の意義について、福岡大学小児科の永光先生が講演されていました。小児の健康を守るために国に制度をつくってもらう、そういった働きかけの重要性を確認することができました。我々が患者とともに未来を築くだけでなく、周りを巻き込んで未来を築いていく。小児医療に関わる先生方の熱い気持ちがひしひしと伝わる2日間でした。

日々研鑽を積み、よりよい医療が提供できるよう、日々精進したいと思います。

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