2024年10月 台湾鼻科学会 2024 Taiwan Rhinology Society (TRS) Annual Meetingに参加して
戸嶋一郎
2024年10月5日から6日にかけて台北で開催された2024 TRS Annual Meetingに参加してきました。
台湾鼻科学会が主催する第10回の大会で、TRS PresidentであるChih-Jaan Tai教授(China Medical University Hospital)と、Congress PresidentであるMing-Ying Lan教授(Taipei Veterans General Hospital and National Yang-Ming Chiao Tung University)が中心となって開催されました。私は日本鼻科学会からの推薦で初めてTRSに参加しましたが、日本からの参加者は日本鼻科学会理事長の春名眞一教授(獨協医大)、竹野幸夫教授(広島大学)、和田弘太教授(東邦大学)、坂下雅文講師(福井大学)、そして私でした。また前日のPre-congress Workshopとして嗅覚・味覚の大規模なセッションがドイツのThomas Hummel教授(Technical University of Dresden)を中心に開催され、日本からはHummel教授にゆかりのある森恵莉講師と関根瑠美先生(慈恵医大)、吉野綾穂先生(日本医大)が講師として参加されました。
台北到着初日は台風18号が台湾南部を直撃して大きな被害をもたらしていましたが、台北は穏やかでした。圓山大飯店という台湾で有名な、歴史的なホテルに宿泊させていただき、内装・外装ともとても豪華で印象的でした。Lan教授から夕食に和牛の店にご招待いただき、舌鼓を打ちました。2日目は昼からPre-congress Workshop、夜にはWelcome partyが開催され、そこでは日本鼻科学会(JRS)、台湾鼻科学会(TRS)、韓国鼻科学会(KRS)の理事長が今後も友好関係を続けるための調印式(MOU signing)なども行われました。台湾人の友好的な気質もあってか、とてもアットホームな雰囲気で、印象的なセレモニーでした。
3日目にTRS meetingが開催されました。会場が1つのため、全員が一か所に集まって一人の演者の話を聞くというスタイルでしたので、幾つものセッションが並列で開催される日本の学会と異なり、新鮮でした。私は上気道炎症に対する脂質代謝物を用いた抗炎症作用について口演しました。夜にはGala dinnerが開催され、各国の先生方がカラオケを歌うという演出もありました。日本人はみんなで「涙そうそう」を歌いました。日本鼻科学会の会員数は1800人ほどいるようですが、TRSは200人程度、KRSも日本と比べはるかに少ないそうです。少ない人数だからこそ、和気あいあいとみんなでおもてなししようという雰囲気を感じました。
スキマ時間に故宮博物館にも行きましたし、台湾の方々の親しみやすい気質にも触れることができ、とても楽しい台北旅行となりました。何よりもTRSやKRS、タイなどアジアの鼻科医と親睦を深めることができ、またJRSの先生方とも仲良くさせていただくことができました。大変思い出深いTRS学会への参加となりました。